コンテスト受賞作品一覧

カーデザイン大賞(最優秀賞)

作品名「Smrat ~Smart x rat~」

高橋 真奈美さん(女子美術大学付属高等学校2年)

【講評】“繋げて広がる絆と空間”と言うコンセプトは、パーソナルモビリティが持っているプライバシーを守りながら、希薄になりがちな繋がりを実現するために具体的な構成で達成し、近未来のコンパクトなモビリティのあるべき姿を提案することが出来た。非常にまとまりのある素晴らしい作品である。そして、愛嬌あるratの雰囲気をモチーフにしたテーマで、顔やリアーホイールの機能も満足させる造形力も大賞にふさわしいと評価された。

カーデザイン賞高校生の部

作品名「SMART」

宮城 孝太さん(栃木県立鹿沼東高等学校3年)

【講評】スポーツカーは、エコカーであっても楽しくなければならない。そんな考えの基に、クルマ本来の楽しさである見る人たちをもわくわくさせてくれる表現が評価された。フロントエンドのアグレッシブな造形に始まり、筋肉の塊を思わせるフロントホイールからリアフェンダーにかけての力強いキャラクターラインの動きや、気分によってトレッドが広くなったり変化する動きが共感を呼んだ。ただ、タイヤが広がった時、フェンダーも同時も広がると申し分なかった。

カーデザイン賞中学生の部

作品名「SAFETY TRANSPORTER」

安藤 学卯さん(宮城教育大学付属中学校2年)

【講評】フォークリフトとトラックの二つの役目を一つにし、その可能性を大きく広げるクルマを発想した柔軟な考え方が評価された。商品を開発する時のアイデア発想のためによく用いられる手法の一つで、スポーツユーティリティ-ビークル(SUV)も、オフロード車とスポーティーな走行可能な乗用車の2つの機能を一つにマトメた考え方から生まれた新しい乗り物である。気を付けることは、ネガティブなポイントも発生するのでそれを解決することも忘れてはならない。

ダビンチ賞高校生の部

作品名「Marble Car」

大崎 夏都子さん(女子美術大学付属高等学校2年)

【講評】“走るから転がるへ”のコンセプトを的確に表現し、タイヤの無い憧れのクルマである。初夢のようなさわやかな色で表現された未来を予感させるマーブルカーの独創性が素晴らしい。今回は、結構多くの球形の提案があった。その中でも動かし方から止め方まで考えられており、そのアイデアのユニークさがダビンチ賞として評価された。出来れば、使用するエネルギーの説明や、大きさが分る寸法表示があればよりデザインの完成度が上がった。

ダビンチ賞中学生の部

作品名「場所に成る車」

谷口 結香さん(女子美術大学付属中学校2年)

【講評】周りの景色を映しこみ、形が見えなくなる形状と表面処理でまとめた考え方は、形を創るこのデザインコンテストでは非常にインパクトが強く、そのユニークな発想がダビンチ賞として評価された。レンダリングや説明の絵も大変きれいに表現されており、その印象は強烈で環境に与えるデザインの使命を示唆している優れた提案である。欲を言えば、人がどのように乗り降りし、どのような姿勢で運転するのか、などの簡単な説明があればより完成度が増した。

佳作高校生の部

作品名「leg.」

林 あいりさん(女子美術大学付属高等学校2年)

【講評】車椅子が自動車になると言う夢を形にしてくれた柔軟な考え方や、それを実現するためのアイデアが盛り込まれている点などが評価された。自動車に変わる為に、タイヤの位置と幅の変化や、上下するフロントウインドなど、パーソナルモビリティとして魅力がたくさん盛り込まれている。出来れば、ドアとタイアの関係や車両の大きさが分る寸法も記入して欲しかった。

作品名「次世代ライトウェイトスポーツカー Plume」

安島 宗典さん(福島県立福島工業高等学校2年)

【講評】若者のクルマ離れと言いながら、若者が乗たくなるようなクルマが提案されていないところに着目し、手軽にモータースポーツを楽しめるコンパクトで軽量な構成と、ガルウイングドアーで非日常を演出するなど、新しいライトウエートスポーツの可能性を提案している点が評価された。ガルウイングドアーを開いた形状の表現や、ダンパーの位置をもう少し研究して欲しい。

作品名「WIgHt」

柴 明良さん(飛龍高等学校2年)

【講評】動物から要素を取り入れ、ユニークな顔立ちから車両側面にかけて有機的な表面処理で表現し、リアフェンダからバックゲート上部までキャラクターを回しこむ大胆な表現で個性を出している。ピラーも丁寧に角Rをかけたり、ホイールの形状やタイヤのトレッドの細部に至るまで、魅力的にまとめられている。出来れば、全体の大きさが分かるような寸法が欲しかった。

佳作中学生の部

作品名「CBC クリアボールカー」

村嶋 啓さん(戸田市立戸田中学校1年)

【講評】全体が柔らかいゴムで包まれており、乗員の安全を確保する。しかも、それが突起で覆われていて滑りにくく出来ているなど、自由な発想で楽しい乗り物がデザインできた。運転席の操作パネルの計器類やデーター表示も丁寧に表現できた。ただ、大きさもデザインの大変重要な要素である。どの位の大きさか寸法が記入されているともっと説得力が増した。

作品名「スカイGT」

松本 英己さん(豊田市立猿投中学校1年)

【講評】空気圧縮エンジンと言う新しい方式や、そのメカニズムとレイアウト、スムーズな形状で包み込んだドライバーのコクピットなど、大変よくスポーツカーの勉強をしている。車体の浮きを押さえるリアスポイラーの形状や、ミッション、サスペンションなどをマトメた雰囲気も良く描けている。斜め前から見たスケッチが描かれていないのが大変残念だ。描いて欲しかった。

作品名「仕事を楽しみに変える商業車」

黒田 楓さん(世田谷区立桜木中学校1年)

【講評】側面に大胆に表現されたストライプや文字のデザインは、従来の商用車に勝る楽しさをうまく表している。コクピットを乗用車のように快適にし、背の高い荷物もルーフを開放して乗せたり、長尺モノは室内上部に積めるなど、重い荷物も楽に積み下ろしが出来るようにエンジンをフロントに移し、低床化を実現するなどの様々な工夫が盛り込まれている点が評価された。