コンテスト受賞作品一覧
本コンテストの表彰式を、東京都港区の虎ノ門36 森ビル 3F The Gallery Too(ギャラリー・トゥー)を会場として、3/27(水)に開催しました。その時の様子をフォトレポートとしてこちらのプレスリリースにまとめてあります。是非ご覧下さい。

カーデザイン大賞(最優秀賞)

作品名「POPCORN」

片岡 港人さん(静岡県立浜松湖南高等学校3年)

【講評】行き先を同じくする人々のモビリティーを乗せ、出発地から目的地までプライバシーを守りながら移動し、目的地ではそれぞれが自由に観光や用件を果たすことが出来る。その考え方を身近なトウモロコシの形状をイメージしたユーモラスな造形でまとめ、単なるパーソナルモビリティーの提案にとどまることなく、高齢者にも夢を膨らませることの出来る観光のあり方や、自動車社会に託された使用環境の広がりを創造する可能性も評価された。

カーデザイン賞高校生の部

作品名「DNA design」

佐々木 敦さん(私立浜松学芸高等学校2年)

【講評】ものづくりにこだわるカーデザイナーの心意気は、自動車に魂を吹き込むための行為であり、その鼓動を作者は感じて受け継がれるDNAとし、二重螺旋を造形テーマに持ち込んだ。フロントエンドからリアーのスポイラーまでバランスよく造形し、まとめている点が評価された。又、細部まで手を抜くことなく描き込み、フロントやリアーの造形も全体のテーマを生かしながらユニークな形状で統一感を持たせ、それぞれの見せ場を特徴付けている。

カーデザイン賞中学生の部

作品名「低重心スポーツカー」

櫻井 悠貴さん(名古屋市立藤森中学校1年)

【講評】低い車高で体感速度を速くすることや、カーボン素材を使用し車体を軽くすること、モーターをプラスしてハイブリッドで出力を向上させるなど、スポーツカーの動向を詳しく調べている。サイドビューの迫力のある外形デザインだけでなく、インテリアもホールド性の良さそうなバケットシートやインストルメント・パネルのさまざまな計器類など細部までとてもよく勉強し丁寧に描けている。ペダルの高さはもう少し研究した方が良さそうだ。

ダビンチ賞高校生の部

作品名「SPIDER CAR」

荒井 沙弥子さん(私立女子美術大学付属高等学校2年)

【講評】高校生らしいユニークな発想は、次の時代を担う若者として大変頼もしく思う。使用目的によって自由に幅や高さを変えることが出来、駐車や方向転換も簡単に出来る。現在の乗り物で困っていることを解決し、新しい考え方の機能や形状を提案している。どうやって実現するかの前に、理想状態を提案する事がデザイナーにとって優先度は高い。頭の中に浮かんだ理想のイメージを、具体的な形状に表現する事の重要性は今さら言うまでもない。

ダビンチ賞中学生の部

作品名「GMGM(ゴムゴム) Car」

小山 創人さん(浜松市立与進中学校2年)

【講評】柔らかな素材で外板を構成したショーカーは今までもあったが、ここまで徹底して衝撃を抑える考え方には至っていなかった。又、空気を噴射してクルマを軽くするなど楽しいアイデアが提案されているなど、中学生らしい屈託のない考え方が評価された。ヘッドライトも時代背景を的確に捉え、省エネルギーを考慮した取り組みなど好感が持てる。未知の世界に積極的に取り組む姿勢を崩さず、理想のクルマ社会を目指して勉強を続けて下さい。

審査員特別賞

作品名「カーシェアリング」

角田 梨沙さん(私立女子美術大学付属高等学校2年)

【講評】電気自動車であることを最大限に生かし、人や荷物と駐車時の充電状態から導き出した三角形の形状と、走っている時だけでなく停まっている時も考慮した、花びらのようにユニークな形状の停め方。車両単体での完成度も高く、これからの社会で増えるであろうカーシェアリングに対応するための提案として大変すばらしい。フロントフェンダーとフロントピラーを一つの曲率でつなぐとよりスッキリした形状になり、説得力が増すと思われる。

佳作高校生の部

作品名「乗り降り楽チン!コンパクトカー」

加藤 拓哉さん(岐阜県立多治見工業高等学校3年)

【講評】外形のイメージレンダリングは大変達者に書かれており、デザイン表現に関し、非常によく勉強している様子が伺える。コンセプトを実現するために扉に注目し、前後左右に大きな扉をつけ、狭い駐車場でも自由に出入り出来、又、リアードアーには車椅子にも配慮した折りたたみ式のスロープを設けるなど、たくさんの工夫が見受けられる点が評価された。

作品名「風景タッチ・スマートカー」

玉城 明さん(私立女子美術大学付属高等学校2年)

【講評】現在の若者らしく、スマートフォンを操作することによって情報を入手し、判断し、行動する行為を移動空間に仕立て、その道具の中に入って全てをコントロールし移動しようというコンセプトを実現した。正に、スマートフォンカーの誕生である。未完ではあるが従来の自動車の概念にこだわらず、自由な発想で新たな乗り物を創造できた点が評価された。

作品名「SPACe.」

水野 櫻子さん(私立女子美術大学付属高等学校1年)

【講評】深海で泳ぐ魚を眺めているかのようなユッタリした癒し空間の自動車をデザインし、従来の緊張感を表現する造形では考えられなかった柔軟な発想が評価された。特に、白の色鉛筆で描画されたハイライトレンダリングは、このコンセプトの宇宙観の表現に成功している。植物や、大好きなチョコレートやお菓子などを入れる器のような形状も大変興味深い。

佳作中学生の部

作品名「SIMPLES」

安藤 学卯さん(国立宮城教育大付属中学校1年)

【講評】キャビンとデッキが一体になり、大変すっきりキレイにまとめられている。そのデッキに用途に合わせて乗せかえることが出来きるバンタイプ、ダンプ仕様やタンクローリータイプなどを取り替えることが出来中学生らしく柔軟な発想で、名前もそれぞれのコンセプトにあわせてデザインされ、細部まで手を抜くことなくマトメられている点など評価された。

作品名「ハートフルカー」

大熊 春基さん(中津市立豊陽中学校1年)

【講評】フロントウインドーを立てて視界を良くし、乗り降りや運転のしやすさにも気を配る機能的な外形デザイン。インテリアではオーディオやシートの素材、表皮材にもこだわり、車椅子での乗り降りや荷物の出し入れのリアゲートにも工夫を凝らし、全体から細部にわたるまで細かな気遣いが評価された。乗り降りにベストな車高の研究も取り組んでください。

作品名「シューズカー」

木村 達弥さん(浜松市立与進中学校1年)

【講評】自動車と共通の要素を持つ移動のための道具で、大変身近な靴を造形テーマに取り入れ、ミッドシップエンジンを床下に配し、フロントエンドにはトランクを設けるなど、正に高級スポーツカーである。全体にはかわいい表情を出し、皮の柔らかそうな外板に、靴紐もアクセサリーに取り入れるなどほのぼのしたユニークな表情を出している点が評価された。