2010年度 第3回講演会
『ハイブリット技術と電動化』

日時
2010年7月14日
講演会の概要
 電気自動車の最大の問題は航続距離の短さにあります。そして、高性能電池を制するものがクルマ社会を制するとまで言われています。しかし、500kmを走る高性能電池は本当に必要でしょうか。  電気自動車が大きなエネルギーを抱えて走るのでは、そのコンセプトはガソリン車と同じです。高性能電池開発に注がれている情熱の数パーセントを使い、電力インフラから直接エネルギーを供給する最後の数メートルに着目すれば、未来のクルマは電池のもつ様々なデメリットから解放されます。

 将来のクルマが電気モータで動き電力インフラにつながることは確実です。もし電気自動車が電力インフラから直接エネルギーをもらうことができれば、航続距離とは「電力インフラから離れても安心できる距離」ていどの意味しかもたなくなります。そして少なくとも都市部では、「ちょこちょこ充電しながら走る電車のようなクルマ」が普通になり、そこでは「電池からキャパシタへ」の移行と「ワイヤレス給電」が実現されます。さらに、クルマが電気モータで走るなら、モータの優れた制御性を生かした「モーション制御」が当たり前のように適用され、クルマの使うエネルギーはさらに少なくなるでしょう。

 もうお気づきと思いますが、クルマへのエネルギー供給手段と、クルマの使い方とはまったく関係がありません。つまり、ワイヤレス給電を利用したキャパシタ電気自動車は、エネルギーを減らし生活を便利にはしても、ライフスタイルを変えるものではありません。本講演会では、このような未来のクルマ社会構想と、それを支える要素技術や制御技術に視点を絞って各講師にお話しをいただきました。

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