2012年度 第3回講演会
『スマートグリッドの潮流』〜電力安定供給を目指すスマートインフラへのパラダイムシフト〜

テーマ
『スマートグリッドの潮流』〜電力安定供給を目指すスマートインフラへのパラダイムシフト〜
日時
2012年7月20日 13:30〜16:30
場所
早稲田大学理工学術院(西早稲田キャンパス)55号館N棟1階大会議室
全体概要
電力安定供給のためのクリーンエネルギーパラダイムシフトが起きています。災害対応及び復興のためのクラスター拡張型インフラ、スマートプロダクトであるインフラバッテリーの特徴、今後の展望に関するご講演をお願いしました。
講演1では、「災害対応及び復興のための地域主導型スマートコミュニティの構築」というテーマで早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科の横山隆一教授の講演がありました。内容は、スマートコミュニティが、東日本震災後の復興において重要な役割を果たすことに注目が集まっており、そこでは、地方自治体が設置・保有する発電施設を中心に、行政ビル、警察、消防署、高齢者施設、学校、病院、一般住宅などを配置した耐災害型スマートコミュニティの形成に関するもので、地域主導で開発可能なクラスター拡張型電力供給インフラの特長と構造を分かりやすく丁寧に解説頂くとともに、災害時の回復力(Resiliency)確保の重要性を明らかすることの必要性等についてご講演をいただきました。
また、それに先立って「低炭素社会実現のためのクリーンエネルギー技術と新たな課題」、「電力安定供給のためのエネルギーミックスのパラダイムシフト」、「再生可能エネルギー大量導入時の系統連携上の課題」、「次世代エネルギー技術とスマートコミュニティ開発への取り組み」など幅広い解説もありました。
なお、時間が足りなくて直接のご講演はありませんでしたが、「電気自動車バッテリー有効活用のスマートハウスへの便益評価」及び「日本型スマートグリッドと今後の展望(補足)」についても貴重な資料を配布いただきました。
講演2では、上記を受けてそれと対をなす技術としての「インフラバッテリーSCiBTM」と「スマートグリッドへの展望」について(株)東芝社会インフラシステム社自動車システム統括部技監の本多啓三様よりご講演をいただきました。
内容は、炭素社会の実現に向けて欠くことのできない蓄電池には安全性,信頼性,長寿命等、小形民生用リチウムイオン電池を越える性能が求められる中で、東芝が開発したインフラバッテリーSCiBTMの特徴を概説いただくとともに、スマートグリッドへの応用展開の紹介並びにインフラバッテリーとしての課題と展望等について熱くかつ詳細にご講演いただきました。
ご講演では、まずはじめに「3.11以降のエネルギー関連政策の動き」について、経済産業省蓄電池プロジェクトチームの発表する「蓄電池戦略のポイント」に関する最新情報をお示しいただき、ついで「インフラバッテリーSCiBTMの特徴」、「車載用SCiBTM」、「スマートグリッドとSCiBTM」、「車載用蓄電池のリユースとその課題」について詳細に解説していただきました。特に最後のリユースに関しては、電池の残存価値評価のための劣化データの取得手法、充電曲線解析法による残存価値評価プロセス等極めて貴重で有益なお話をしていただきました。

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