2013年度 第4回講演会
『車と情報セキュリティ』

テーマ
車載Ethernetが変えるクルマの未来
開催日時
2013年9月24日(火)13:30〜16:50
会場
株式会社小野測器 本社ビル 神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目9番3号
全体概要
この数年スマートフォンやEthernet等を介した自動車と外部環境との相互通信、アクセス等が容易になってきました。一方、車載ソフトウェアの高機 能化に伴い自動車情報セキュリティの問題等も顕在化してきています。そこで、本講演会では通信インフラにおける脆弱性への対策等未来の車社会に必須の情報セキュリティの話題にスポットを当ててみました。
講演1:<車載ネットワークの情報・物理セキュリティ:不正CAN通信阻止技術の研究を中心に>
横浜国立大学 大学院環境情報研究院 社会環境と情報部門 情報メディア学分野 教授 松本 勉氏
 自動車等の内部の多数の電子制御装置間をつなぐバス型ネットワークCAN ( Controller Area Network) のセキュリティを強化する方法に関し、2つのアプローチからの最新研究を紹介していただきました。
講演2:<自動車におけるITセキュリティ>
トヨタIT開発センター 研究部 シニアリサーチャー   小熊 寿 氏
システムのセキュリティといえば、新聞紙面を飾っているような開放型ネットワークへの接続されたシステムにおけるクラッキングや情報流出等への対抗措置というイメージが強いと思います。数多くのECUから構成する車載システム等は外界との接続を遮断し、物理的かつ論理的な閉鎖型ネットワークを用いることで頑強性を確保しています。しかし閉鎖型であればクラッキングのような脅威からは無縁であるというのは誤信で、車載システムを悪用した犯罪は、映画の世界に留まらず、日々発生し奸計されています。本講演では車載システムに関する最近の情報セキュリティに関する動向について紹介していただきました。
講演3:<欧州を中心に進むセキュリティ対策の現状と標準化動向 >
イータスエンベデッドセキュリティ ESCRYPTビジネス・ デベロッパー  Camille Vuillaume 氏
車載ソフトのセキュリティ対策に熱心なのが欧州です。EUのプロジェクト「EVITA (E-safety Vehicle Intrusion proTected Applications)」や「SHE(the Secure Hardware Extension)」などが動いています。ここでは、各種プロジェクトの最新状況に加えて、車載ソフト特有のセキュリティ対策のメカニズムやソ フトウエアフラッシング、診断、通信インタフェースを保護する仕組みなどを詳説していただきました。

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