2014年度 第5回講演会
『自動車の低燃費化と周辺技術』

テーマ
『自動車の低燃費化と周辺技術』−地球環境のために技術の力を集めよう−
開催日時
2014年11月25日(火)13:00〜17:00
会場
(株)小野測器 新横浜本社 9階会議室
全体概要
 地球環境問題への対応は永遠の課題です。自動車は今後もしばらくは内燃機関が主流と考えられており、低燃費化がさらに求められています。低燃費化の取り組みは、エンジンのみならず車両全体のいろいろな技術分野の取り組みになっています。
本講演会では、自動車メーカーと部品メーカーでの最近の取り組みと、総括展望として日本の自動車業界での取り組みの経緯などについても講演いただきました。まだまだ続く低燃費化に向けて、技術の力を集めようというメッセージを伝える機会となりました。
講演1:<低燃費への取り組みについて>
(一社)日本自動車工業会 安全・環境技術委員会排出ガス・燃費部会 小型車燃費分科会分科会長 池ヶ谷精二 氏(トヨタ自動車(株))
日本の自動車業界は、資源枯渇や地球温暖化に対応する技術開発に取り組み、段階的な規制強化にも対応してきました。本講演では、これまでに取り組んできた低燃費化、規制強化への対応、今後の動きについて紹介していただきました。
講演2:<クラスTOP燃費性能−アコード ハイブリッド 低燃費化の取り組み−
(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター第11技術開発室 第7ブロック研究員 佐藤順之 氏
自動車の低燃費化への取り組みはエンジン,ハイブリッドシステムと言ったパワートレインのみに留まらず、軽量化,摩擦/空気抵抗低減,電気的効率向上と言った車両全体の取り組みが不可欠です。本講演では、クラスTOPの燃費性能を達成した アコード ハイブリッドにおける例を取り上げ、低燃費化とFUNとの両立についての取り組みを紹介していただきました。
講演3:<低燃費タイヤについて(「エコピア」での取り組み)
(株)ブリヂストン タイヤ研究部 主幹フェロー 大沢靖雄 氏
自動車の低燃費化と安全性能の両立に対し、タイヤの転がり抵抗低減とウエットグリップ性能向上が重要であり、ラベリング制度に基づいた低燃費タイヤが市場に多く登場しています。本講演では、転がり抵抗とウエットグリップ双方で最高グレードを獲得した「エコピア」を実例として取り上げて、予測と計測技術を活用して、形状と材料の組み合わせで複数性能を向上させた取り組みについて紹介していただきました。

今回の講演会では、これまであまり取り上げられて来なかった(低燃費)タイヤの話題を取り上げた故か、多くの参加者から好評を得ることができました。これからも最新でタイムリーな講演内容で、かつ興味深いテーマを取り上げる必要のあることを痛感できました。
一方で、全体に総花的な内容でもあったからか、もう少し深堀した発表が欲しいとのご意見もあり、今後の反省材料としました。

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