2015年度 7回講演会
『軽量化を支える技術 −繊維強化プラスチックの応用− 』

テーマ
『軽量化を支える技術 −繊維強化プラスチックの応用− 』− ツボはエンジニアリング −
開催日時
2016年1月27日(水)13:00〜17:00
会場
(株)小野測器 本社・ソフトウェア開発センター
全体概要
地球温暖化物質の排出を抑制するため、自動車の低燃費化の要求は今後益々厳しくなり、わが国でも2020年度より車両重量区分毎の燃費規制ではなく、欧米と同様にCAFE(企業平均燃費)方式が導入されます。軽量・高強度の特長を持つ樹脂系複合材料は低燃費を支える軽量化技術として注目され、採用・普及が進展しています。自動車の部材など工業製品として成立するためには、設計・製造技術や末端での金属等との接合技術などが必須であり、これらの技術について解説し、今後の応用と将来を展望していただきました。
講演1:<自動車におけるCFRP技術の現状と展望>
講師:金沢工業大学 大学院工学研究科 高信頼性ものづくり専攻 教授 影山 裕史 氏
レジャー用品や航空宇宙でお馴染みとなったCFRP(炭素繊維複合材料)が、スパーカーなどの限定車両だけでなくBMWのi3などの量産車両に展開され、注目を集めています。講演では、CFRP材料の特徴から、なぜ、レジャー用品などで汎用化したのかを理解し、将来の自動車におけるCFRPの意味について言及していただきました。また、開発課題を取り上げ、CFRPならではのムリ無駄むらのない設計や製造について触れてみることにより、将来CFRPが自動車構成材料としてポピュラーになるには、どうすればよいのかの一例を紹介していただきました。
講演2:<金属/樹脂接合技術>
ダイセルポリマー株式会社 取締役 新事業企画部 部長 板倉 雅彦 氏
『軽量化を支える技術 −繊維強化プラスチックの応用− 』金属の樹脂化は自動車軽量化の有力な手段の一つであり、金属/樹脂複合部材による軽量化技術は、近年非常に注目されてきています。そのなかで、金属部品に化学エッチングやレーザー照射による表面処理を施し凹凸形状を形成させ、その中に樹脂を浸透させることで金属と樹脂を接合させる技術の開発が特に精力的に進められています。これら技術の内容や特徴について紹介していただきました。
幹事所感:(アンケート結果)
聴講者のアンケート結果では、全体像をつかめた、現状と展望が良く分かった、技術の最前線を聞かせて頂き勉強になった、調べても得られない最新情報を得ることができた、話題が豊富だった、苦労した点を聞けてためになったなどの意見が寄せられ、好評でした。単なる軽量化材料の紹介ではなく、設計・製造技術や末端での金属等との接合技術に特化した企画は有意義でした。
モノクロのテキストを当日配布していますが、聴講者に限定してパスワードを開示し、フルカラーのテキストを関東支部のホームページよりダウンロードできるようにしたことは好評でした。

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