自動車技術会

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2020/06/15 自動車技術会 関東支部長 遠藤真 就任のご挨拶 お知らせ

関東支部長 遠藤真自動車技術会関東支部の皆さん、改めましてこんにちは。
この度、自動車技術会関東支部の支部長を仰せつかりました遠藤真と申します。
本来は6月2日の総会にてご挨拶する予定でしたが、新型コロナの影響により総会での審議は書面決済となりました。皆様と直接お会いしてご挨拶と会話をする事ができませんでしたので、失礼とは思いますが自動車技術会関東支部ホームページにて私からのご挨拶とさせていただきます。
まず、自己紹介ですが、1977年に日野自動車(株)に入社して、以来40年以上技術畑で仕事をしてきました。とりわけエンジン開発や研究といった分野が大変長く設計や実験に携わってきました。入社後に当然ではありますが自動車技術会の会員となり、春季大会や秋季大会、シンポジウム、さらにはFISITAやSAEといった大会で論文発表をしたり、また委員会への参加など、一緒に関わっていただいた多くの自動車技術会事務局の方々や諸先生方にはあらためて感謝申し上げたいと思います。
今回、先代のマレリ(株)の村上秀人さんからの引き継ぎということになります。村上さんの就任の時のご挨拶でもCASEの話が出ていましたが、今は自動車産業が100年に一度の大変革の時代に突入したというのは、皆様すでに実感していることだと思います。かつての1970年代のマスキー法に代表される排出ガス規制の導入や1980年代のデジタル化の進展、さらには自動車技術とは直接には関係していませんが、バブルの崩壊、リーマンショック、東日本大震災などが自動車や社会に与えた大きな変化だったと思います。ただし、これらの変化では、自動車そのものの形態や用途が変わった訳ではありません。そして自動車産業を支えて来たプレーヤーには大きな変化がありませんでした。
今回のCASEの場合はどうでしょうか。Connectedでは通信業者、Autonomousでは AIベンチャー、Sharedではデータビジネス業者、Electricでは電気関連事業者など、新たな異業種プレーヤーがどんどん参入してきております。今までの変化とは違って新たに多くの異業種の人たちが自動車産業に参入してきており、まさに100年に一度の大きな変化であると言えるでしょう。
そこで、私たちはどのように対応すべきでしょうか。
自動車技術会に参加されている多くの企業、そして多くの技術者は今後どのようして行けば良いのか、と言う課題ですが、各社・各員で考えが違うとは思いますが、私は次のように考えてみました。
自動車は今まで多くの改善を経て今日の形や仕様が出来て来ました。その間、多くの技術競争によって進歩して来たわけです。単に競争だけでは無く、提携とか系列、合併など協業もありました。私たち技術者は技術を競い合ってお互いに研鑽してきましたし、優れた技術があれば参考にしたりして協調もして来たと思います。
これから異業種のプレーヤーとその技術者達がどんどん自動車産業に入り込んで来るでしょう。
既存のプレーヤーや技術者から見れば競合相手ではありますが、別の視点から見れば自動車関連技術に入って来た新規参入技術者です。私達の仲間として好意を持って受け入れてはどうでしょうか。企業や事業としても、そして技術としても共存共栄すべきだと思います。
話は変わりますが、今回の新型コロナの災禍で多くの人達が犠牲になり未だ疾病と闘っておられることに対してお悔やみとお見舞いを申し上げる次第です。
この間、私達自動車産業に関わる多くの技術者がテレワークや自宅でのWeb会議などで従来の仕事の仕方とは大きく変わったのではないでしょうか。
現地現物、面着は仕事を進める上で大変重要な作業で以前から仕事の基本として推奨されて来ました。
今回、テレワークや在宅勤務などで情報機器を介した会議だったり、サテライトオフィスや自宅からのCADだったりが結構実用性があると感じた方は多いのではないでしょうか。
残念ながら今年の自動車技術会春季大会が中止になりました。また関東支部での様々な行事でも中止を余儀なくされたものもあります。全部とは言いませんが、情報機器を通じて何とかできるものもありそうです。技術委員会のWeb開催やシンポジウムなども遠隔で発表することなどは可能かもしれません。長距離を移動する時間と手間を考えるとむしろ効率的だと思います。自動車技術者の仕事のやり方改革と同時に、自動車技術会会員同士のコミュニケーションのやり方改革を目指したいと考えます。
最後になりましたが、CASEの進展に伴い多くの 異なる業種の方々に自動車産業に仲間入りしていただき、自動車技術会の会員として大いに協調・協業し時々は競争することを推進すること、そして自動車技術会会員の今後のさらなるコミュニケーションを活発化するやり方改善を推進することに対して、今後とも努力していきたいと思います。どうか皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

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